実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

木村新一トップ画像

Title :対象者 木村新一1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :ヒカルちゃん
     本間くん
     バイト先の店長
     木村新一(仮)
     ヒロさん

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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- Scene 1 -

『諦めるな! ”さだめ”とは、俺たちが作るものだ・・・』

「ZINさん、何言ってるんですか?」

『本間くんは、映画とか見ないの?』

「映画は好きですよ! よく休みの日に、DVDを借ります。」

『レンタル?映画館では、見ないんだ・・・』

「DVD借りた方が、安いじゃないですか!」

『安さの問題じゃないんだなぁ〜。 映画と言うのはだなぁ〜・・・・』

   本間くんに、”映画とは・・・”を語りつつ
   JRの某駅周辺で、1台のクルマを探している。

♪カラン・コロン・カラン♪

「いらっしゃいませ〜」

『コーヒー・・・ ブレンド1つ・・・』

「かしこまりました。」

「お待たせしました、ブレンドです。」

『忙しそうだね、ヒカルちゃん!』

「ごめんネ! もうちょっとで、バイト終わるから・・・」

   お友達のヒカルちゃんに”相談がある”と電話をもらい、呼び出されたZIN。

「ごめんネ。待たせちゃって・・・」

『全然、大丈夫。・・・で、相談というのは?』

「実は、ZINくんに”ある人”を探して欲しいの・・・」

『その”ある人”って、男?』

「うん・・・」

『・・・で、どんな人なの?』

「名前は、木村新一。電話番号は、090−48・・・」

『これだけ?』

「・・・・・。」

『どうしたの、ヒカルちゃん?』

   よく見ると、ヒカルちゃんの目に涙が・・・
   今にもこぼれ落ちそうな位の涙を必死にこらえていた。

『ヒカルちゃん?』

「騙されちゃった・・・ お金を取り返して・・・ZINくん」

   簡単に説明すると!
   ・ 3ヶ月前に、出会い系サイトで知り合った男と付き合い始めた。
   ・ 2人でお金を出し合って、クルマを買う計画を立てた。
   ・ 3日前、ヒカルちゃんがその男にお金を渡した。
   ・ 男が携帯電話を解約していて、連絡が取れなくなった。

『そっか・・・ 悔しいよね。 信じていた人に裏切られるのって・・・
 わかった、力になるよ!
 でもこの調査、正直難しいから、依頼という形で受けるよ!
 いい?』

「うん。」

『ヒカルちゃん、バイト先でこんな話して聞かれたらマズくないの?』

「店長にも相談したし、バイトの友達が探偵に相談したらって!
 ZINくんが友達でよかったよ。」

【ウチのヒカルのこと、よろしくお願いしますね。】

   ZINの目の前に、特大のチョコレートパフェが出てきた。

『任せてください。 えっ、ヒカルちゃんのお父さん?』

【いえいえ。ただの通りすがりの店長です。】

『”通りすがりの”って。 ヒカルちゃんトコの店長さん、面白いね!』

   黒い(マスカラ)涙を流していたヒカルちゃんに笑顔が戻ってきた。

            ・

            ・

            ・

「ZINさん、クルマ見つかりました?」

『見つからない・・・』

「見つかると思います?」

『難しいね、正直・・・』

「依頼者(ヒカルちゃん)の話だと、「対象者 木村新一」は
 この駅を通勤で利用していて、駅周辺の駐車場に
 クルマを停めて行くんですよね?」

『・・・・・』

「ZINさん?」

『木村新一という男の立場になって考えてみよう。』

「どういうことですか?」

『もし、通勤で駅・電車を使うとして
 本間くんだったら、ここまで何で来る?』

「自転車かバスですね!」

『クルマで駅に来るぐらいなら、そのまま会社に行くよな!』

「そうですね・・・」

    行き詰った・・・
    今出来る調査はこれしかなかったのに・・・

「ところで、ZINさん。 依頼者って、この男にいくら取られたんですか?」

『80万(円)』

「はっ、はちじゅう万!!」

『80万の内、50万は無人契約機で借りたみたいだ・・・』

「無人契約機って、一応サラ金ですよね。」

『ああ・・・』

「それじゃあ、一刻も早く返さないと利子が・・・」

『今、解約された携帯番号から男の身元を探っているが、時間がかかる。
 もう少し、情報があればなぁ〜。』

    ♪プルルルル〜 プルルルル〜♪

『もしもし・・・』

【ZINくん?】

『はい、ZINくんで〜す!』

【その感じだと、調子良くないみたいだね・・・】

『分かる? 今、現場で少し考えたんだけど、クルマで駅まで行くのって
 不自然過ぎると思うんだ!
 実際、探してみたけど、木村のクルマ見当たらないし!』

【ZINくんに相談した時、どんな些細な会話でも、
 思い出したら言って!って、言ってたよね。】

『ああ、どんなに計画を立てて騙しても、
 ふとした会話の中で、本当の事を言っているかもしれないからね!』

   とりあえず、夜、ヒカルちゃんに直接会って、話を聞くことになった。

「ZINさん、依頼者、何て言ってたんですか?」

『えっ、依頼者? 今晩、メシ食いに行こう!って。』

「マジっすか!? デートの約束ですか?」

『まあね!』

「あ〜あ・・・ MAKIさんが聞いたら怒りますよ!」

『なんで? アイツは、関係ないだろう!』

「あれ!? ZINさんとMAKIさん付き合ってるんじゃ・・・」

『ありえない・・・ 絶対にありえないから!!』

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