実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

Title : 落し物1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :MAKI
     岩崎さん
     吉野弥生さん

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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 - Scene 1 -

「この渋滞、どうにかならないの?」

『俺に言われてもなぁ〜、時間的にしょうがない!』

「もう〜、この帰宅ラッシュむかつくぅ!!  法律で車通勤禁止にしてくれないかな…」

『そりゃ無理だろ。』

「なんか冷たい言い方…」

『俺もイライラしてんの! 話かけんな!』

「尾行中と大違い。」

『尾行中は集中してるから、渋滞なんかでイライラしない。』

「だよね。私もそうかも!」

『あっ、そういえば!』

「何、ZIN?」

『昨日、久しぶりに本間くんから電話が着た。』

「本間くん? 前の事務所で一緒にやってた?」

『そう、その本間くん。』

「本間くんがどうしたの?」

『調査中に覆面パトカーに尾行されて、ストーカー幇助の罪で捕まりそうになったんだって!』

「何それ! どんな調査だったの?」

『良くわかんない。』

「聞いてないの?」

『話長そうだったから、聞き流した。』

「あんた、冷たい先輩ね…。 ZINの弟子みたいな感じだったじゃん!」

『別に俺、落語家じゃねーし…』

「どういう気持ちで本間くんが連絡してきたと思ってるの?」

『冗談だよ。そう怒るなって!
 本間くんが言うには、女の人の身辺調査をしてたらしいんだけど
 その女の人、過去にストーカー被害にあってたみたいで
 怪しい人がいるって通報されたんだって!』

「何日間の調査?」

『1週間…』

「1週間? そんだけ長い調査ならもっと慎重に…」

『…の2日目!』

「早っ! まぁ、過去に被害に合ってたんなら、敏感になってるわね。」

『かわいそうだよな…』

「どっちが?」

『被害者。』

「そうね。たぶんこれからも、ずっと過去の恐怖に怯えていくのね。」

『あぁ…。』

「でも、それでストーカー幇助に?」

『通報した女の人が言ったんだって! ストーカーに頼まれた人がいるって…』

「過去にストーキングしてた人と別人だったから?」

『そうじゃないの? そこまでわからない。』

「でも、探偵って同じような事してるから、しょうがないかな?」

『調査してるのがバレたら、プロの探偵とは言えないんじゃない!
 気付かれないで、普通に生活してもらうのがプロでしょ。』

「そうね。」

 ・・・ 目的地周辺です。音声案内を終了します。・・・

『この辺りらしいぞ! 依頼者はどこにいるんだ?』

「電話してみる。」

『とりあえず、ここに車停めるぞ!』

「もしもし、一ノ瀬探偵事務所のMAKIです。
 今、朝日公園に着きました。
 岩崎さん、今どちらにいらっしゃいますか?」

『どこだって?』

「公園の向かい側にクリーニング屋さん…
 あっ、はい、あります。 
 …の、隣のコインパーキング…」

『コインパーキングね。車動かすよ!』

「…の向かいのコインパーキングですね。」

『向かいのコインパーキング?
 最初から公園の隣のコインパーキングって言えばいいのに…』

「…の隣のファミレスですね。」

『だったら、最初からファミレスって言ってくれよ…』

「はい、そうです、ZINと2人です。今から伺いますので…
 では、また後ほど…。
 ZIN!ファミレスだって!」

『聞いてたよ。 相変わらずだな、岩崎さん。』

「本人は、わかりやすく説明してるつもりなんだよ。」

『その気持ちは、伝わるんだけどね…』

 - Scene 1 - 完

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