実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

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Title : 1輪の花1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :MAKI
     愛ちゃん
     愛ちゃんのお母さん
     勇次さん
     他、エキストラのみなさん

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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- Scene 1 -

「ZIN、コレ見て! メールが届いてる!」

『メール? ラーメン食べ終わってからでいい?』

「ラーメンなんか後でも食べられるでしょ!」

『バカ言うなよ。 今が食べ頃アルデンテ状態のラーメンを後回しにできるか!』

「いいの、そんな事言って・・・ たぶんコレ、調査の依頼だと思うんだけど」

『調査の依頼!! それを早く言いなさい!』

「だから、さっきから言ってるじゃない」

『え〜と、調査依頼のメールはどれかなぁ〜?
 コレかっ!
 どれどれ・・・

 ”近くに住んでる美由紀です。
  あなたが私のお相手として紹介されました。
  実は一緒にTバックを履いてくださる人を求めていたんです。
  Tバックに年齢は関係ないですよね!”

 OK!OK!Tバックでも何でも一緒に履いてあげますよ〜〜
 って、おいっ! これのドコが依頼のメールなんだよ』

「アンタ、器用ね・・・ メールにノリツッコミできるなんて!
 それはただの迷惑メールじゃない。
 メールのタイトル見れば分かるでしょ!
 それじゃなくて、その下にあるメール・・・」

『ごめん・・・ちょっとTバックが気になっちゃって』

「ほらっ、このメール見て!
 ”幼馴染の人を探して欲しい” だって!」

『行方調査の依頼かぁ〜
 このメールだけじゃ情報少なくてどうにもならないなぁ〜
 MAKIちゃん。早速返信して依頼者に会ってみようか!』

   ・・・というわけで、メールの差出人と連絡を取り
   指定されたファミレスで待ち合わせをする事になった。

『どうもはじめまして。
 一ノ瀬探偵事務所 代表の一ノ瀬仁です。
 …で、こっちの若そうに見えて、実は結構イっているのがMAKIです。』

「(ちょっと、何言ってるの!)
 はじめまして、MAKIです。メールでのお問い合わせありがとうございます。」

【いえ…  問い合わせしたのは、一ノ瀬さんの所だけじゃないんです。】

『大丈夫ですよ、遠慮しないでください。 逆にそうした方がいいと思いますよ!』

「でも、その中で一ノ瀬探偵事務所を何で選んだんですか?」

【一番事務的じゃなくて、相談しやすかったから…です。】

『そうですか、ありがとうございます。
 …で、さっきから気になっていたのですが、そちらの女の子は、お子さんですか?』

【はい、”愛”といいます。】

「こんにちは、愛ちゃん! いくつなのかな?」

[・・・・・・・。]

『プッ、嫌われてやんの(笑』

「そうなのかな?(泣」

【ごめんなさい。人見知りするもので・・・ 今年で5歳になります。】

「恥ずかしいのかなぁ〜、愛ちゃん?」

『怖くないよぉ〜、大丈夫だよぉ〜、食べたりしないから』

「ちょっとぉ〜、本気で怖がってるじゃない!」

『ごめんね・・・ 怖くない!怖くないよぉ〜!!
 え〜と、どうしよう・・・ チョコレートパフェ食べる? じゃあ、頼もうねぇ〜』

「もう〜、ホントにすみません。
 仕事はきちんとこなすヤツなんですけど、普段は、どぉ〜しようもないバカなんで・・・」

『おい、”ヤツ”とか”バカ”は、ないだろう!』

【良かったです。楽しい方たちで!
 探偵さんに会うと思って、ここに来るまでちょっと
 緊張してたんですけど、お話しやすそうで良かった!】

『では、かるく和んだところで本題に入りましょうか!』

「アンタ、切り替え早すぎっ!
 本当にすみません。
 え〜と、メールの内容からだと
 幼馴染の方を探して欲しいという事で間違いありませんか?」

【はい。】

『幼馴染ということは、20代前半ぐらいですか?』

【いいえ・・・ 私の幼馴染じゃなくて、この子の・・・】

『えっ! 愛ちゃんの幼馴染ですか?』

【そうなんです。 探してもらえますよね?】

『すみません・・・ 勝手にお母さんの幼馴染と思い込んでしまって』

『探しますよ、任せてください! ・・・で、その幼馴染というのは・・・』

【近所に住んでいた男の子で
 幼稚園から帰ってきた後、いつも一緒に遊んでいました】

『愛ちゃんと同じ5歳ですよね?』

【はい、そうです。】

『探して欲しいとい言うことは引越しか何かで?』

【えっ、まぁ・・・ そんな所です。】

『でも、普段から仲良くしていたなら
 なぜ、引越し先や連絡先を教えて貰わなかったんですか?』

【急な引越しだったみたいで・・・】

『急な引越しですか・・・ ご両親のお仕事の関係で?』

【そんな感じです・・・】

『ちょっといいですか?
 さっきから、”だったみたい”とか”そんな感じ”とか
 あやふやな答えばかりですよね・・・』

【すみません・・・】

『いえいえ、別に謝らなくても・・・

 っていうか、MAKI! お前はさっきから何をしてるんだ!
 こ〜、合間合間にMAKIの会話が入ってくると
 ブログ読んでる人が、ごっちゃごちゃになっちゃうだろ!』

「ブログの事なんてどうでもいいでしょ!
 3人で話したら愛ちゃん1人ぼっちになっちゃうじゃない!
 ちゃんと愛ちゃんとお話しながら、お母さんのお話も聞いてるわよ!」

[おじちゃん、ウザイよ。おねえちゃん、かわいそう…]

『愛ちゃん♪ ”おじちゃん”じゃなくて”おにいちゃん”ね!』

「こんなヤツ、おじちゃんでいいのよねぇ〜愛ちゃん」

[うん、おじいちゃんだ!]

『愛ちゃん!
 いい子だから、おじいちゃんって言いながら指差さないでね。
 それに、”おじちゃん”から”おじいちゃん”にパワーアップしちゃってるから…』

「どっちでもいいじゃない、そんな事。 ・・・で、どうなのZINは?」

『何が?』

「何がじゃなくて・・・ お母さんの話、ちゃんと聞いてたの?」

『聞いてないわけないだろっ!
 幼馴染の男の子、たぶん名前は勇樹くん
 ・・・の両親が事業に失敗して、ある日突然夜逃げした。
 って、コトじゃないかな!』

【えっ、何でそこまで・・・】

『なんとなく分りました。雰囲気で・・・』

「(ちゃんと、こっちの話も聞いてたのね・・・)」

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