実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

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Title : ラブ・トライアングル1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :MAKI
     依頼者の彼女
     依頼者の同居人(男)

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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- Scene 1 -

『どうなってるんだよ、これっ!』

「知らないわよ。早く何とかしなさいよ!」

『何とかしろっって、言ったって・・・』

「ダメだ、もう間に合わない!」

『お前だけでも早く・・・』

「ZINを置いて行けるわけないでしょ!」

『MAKI、後は任せたぞ・・・』

「ZIN?
 ZIN、返事して!
 ZI〜〜〜N!!!」

   ・
   ・
   ・

 5時間前のPM5:00

「男の嫉妬って、見苦しいと思わない?」

『嫉妬っていうのは、男も女も関係ないの!
 オレはすごく嫉妬するタイプだし・・・』

「キモイ・・・」

『”キモイ”という一言で片付けるなよ。
 そういうMAKIはどんなんだよ?』

「私は一切嫉妬しない。
 嫉妬なんかする前に切り捨てるから!」

『かわいそうに・・・
 親の愛情に恵まれなかったんだな・・・
 だから、こんなヒネくれた性格に!』

「誰がヒネくれてるって?」

『いや、別に誰の事でも・・・』

「でも、同居している男2人が
 同じ女性を好きになってしまうとは・・・」

『いきなり調査の話? まぁ〜いいけど・・・』

「同居している友達が、
 友達の彼女を好きになってしまった・・・
 良くある話よね。」

『良くある話?
 お前もそういう経験あるのか?』

「お前もって・・・ ZIN、もしかして・・・!」

『あるよ! 大ありだよ!
 今でも思い出すと頭に来る!』

「取られちゃったの?」

『ああ、取られたさっ。 見事に惨敗さっ。
 マメな男に自分の彼女を持っていかれたよ。
 思い出だけ残して・・・
 一緒に持って行ってくれれば、どんなに楽だったか・・・』

「じゃあ、依頼者の気持ち、痛いほどわかるって感じ?」

『まだ依頼者の場合は、
 同居してる相手が怪しいってだけだろ!
 相手を特定するのが今回の調査なんだから!』

「ホント、ZINってバカね・・・」

『”バカ”って言うな! 
 あ〜ぁ、調査の前に嫌な事思い出しちまったぜ』

「ちゃんと、調査に集中してよ!」

『お前が、ほじくり返したんだろうがっ!』

『しかし、こんなでっかいビルに勤めてるとは・・・
 いい大学とか出ちゃってるわけ? 彼女・・・』

「派遣さんらしいわよ」

『派遣さんかぁ〜
 出会いのキッカケは多そうだな!』

「でも、私はヤダなぁ〜。
 職場に慣れたと思ったら、また新しいトコに行くんでしょ?」

『そんなペースで、変わるものなのか?
 派遣って?』

「わかんない」

『適当に言うなよ。
 オレだったら、この会社で派遣じゃなくて
 特命係長をやりたいよ!』

「どうせ、エッチな事考えてるだけでしょ!」

『そんなんじゃなくてさぁ〜
 昼は窓際係長、夜は会長直属の特命係長なんだぜ。
 カッコいいと思わない?
 名前も同じ”ジン”だし!』

「”ジン”じゃなくて”ヒトシ”でしょ、只野さんは?」

『”ヒトシ”って言うのはアダ名。
 本名は”ただの じん”っていうんだよ。
 社員番号0005235 只野仁 TADANO JIN
 って社員証に書いてある。』

「詳しすぎる・・・ ただのヲタクじゃない!
 どっちでもいいわよ、そんな事!」

『どっちでもよくない!』

「わかったわよ・・・ 只野ジンね・・・」

『わかればよろしい!』

「ほら、あれ見て!
 ぞろぞろと退社し始めたわよ、特命係長さん!」

『よし、絶対見逃すなよ、森脇!』

「(なりきってるのね、特命係長に・・・
 やる気出してくれるんだったら、まぁいいか!)」

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