実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

切り取られた手帳1

Title : 切り取られた手帳1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :MAKI
     るるさん

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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- Scene 1 -

♪プルルルル〜・プルルルル〜♪

【もしもし、MAKIちゃん? ”るる”ですけど…】

「あっ、るるさん! お久しぶりです。 お元気ですか?」

【元気だよ。MAKIちゃんは?】

「元気ですよ。今日はどうしたんですか?  私に電話かけてくるのって、珍しいですよね!」

【珍しいとか言わないでよ。 …で、ZINくんは調査中?】

「やっぱりZINに用事があるんですね…」

【ZINくんの携帯に電話しても出ないから、調査中なのかなって…】

「調査じゃないと思うんですけど・・・」

【”調査じゃないと思う”って、どういう事?】

「私も今朝から連絡取れなくて…」

【MAKIちゃんも連絡取れないの?】

「はい…」

【それはおかしいわね。ZINくんとケンカでもした?】

「昨日はしてません。」

【昨日は?  まぁ、その辺は触れないけど… こういう事よくあるの?】

「こういう事って?」

【連絡が取れない事!】

「ないです。」

【今、抱えてる調査は?】

「昨日報告した調査で終わり。今は何も無いです。」

【調査じゃないのに連絡がつかない? それは、おかしいわね!】

「そうなんです。」

【何が手掛かりになるようなものはない? 例えばZIN君の手帳とか・・・】

「ZINの手帳ですか? ちょっと待ってくださいね…   あっ!」

【あった?】

「ありました!
 (いつも、どこに行くにも持ち歩いてる手帳がなんでココに?)」

【どうかしたの?】

「手帳があるんです。」

【それが変なの?】

「はい、肌身離さず持ってる手帳なんです。」

【そっか。   じゃあ、その手帳に変なトコない?
 ん〜、例えば、切り取られてるページがあるとか?】

「切り取られてるページですか?
 え〜と…。
 あります!
 後ろの方のページが一枚ビリって感じに!
 几帳面なZINが、慌てたとしても書かないようなトコ。 (ZINがページを飛ばして使うなんて…)」
 
【…という事は、前後のページは白紙って事ね。
 もしかして、その前後どちらかのページに筆跡残ってない?】

「無さそうですけど。」

【鉛筆で軽く擦ってみて! 何か浮き出るかも!】

「鉛筆でですか?」

【やってみなって!】

「わかりました。
 ・・・・・。
 あれっ? 何か浮き出てきた!」

【何て?】

「字が汚くて読みにくいんですけど、 

  ”13:00 モルール ゲート前 25 ”

 って、書いてあるような・・・」

【”13:00” ”モルール” ”ゲート前” ”25”って?
 ん〜、なんだろう??
 13:00にモルールのゲート前で誰かと待ち合わせって事かな?】

「最後の”25”は?」

【わからない… 待ち合わせの合言葉とか?】

「合言葉ですか? じゃあ、モルールっていうのは?」

【モルールって、聞いた事ないわね。どこかの場所の名前なのかな?
 ZINくんから今日の面談の話とか聞いてない?】

「聞いてません。
 面談が13:00からだとして
 今10:00だから、待ち合わせだとしても、あと3時間ありますよ。」

【そうね。 朝から連絡が取れないっていうは変ね。】

「私、思うんですけど…」

【何?】

「このZINの使い方らしくない手帳といい、連絡が取れない事といい、
 もしかしたらZIN、何かの事件に巻き込まれたんじゃないかな?】

【事件って…】

「面談なら私に連絡してから行くし… きっとこれは事件だわ。
 危険な匂いに誘われて、事件に巻き込まれたんだわ!」

【MAKIちゃん、ちょっと大袈裟じゃ…】

「大袈裟なんかじゃないです。手遅れになってからじゃ遅いんです。
 るるさん!
 今日は予定無いんでしょ。
 私と一緒にZINの足取りを追いかけてくれませんか?」

【予定が無いなんて一言も言ってないけど…
 事件に巻き込まれたって言うのは、大袈裟じゃない?】

「そんな事言ってて、あのバカがお昼のニュースに出たらどうします?
 東京湾に変態死体が上がりましたって!」

【それを言うなら、変死体だよね…】

「そんな細かい事はいいのっ!」

【MAKIちゃん、正確にはいつからZINくんと連絡取ってないの?】

「昨日の夜からです。」

【そっか。探すなら早い方がいいわね。 私も行くわ。】

「はい、お願いします。」

【私も今からすぐ出るから、東京駅で待ち合わせましょう。
 13:00までには探し出しましょう。】

「わかりました。東京駅集合ですね。   私もすぐに向かいます。」

【それとそのZINくんの手帳、忘れずに持ってくるのよ。】

「はい。(今から残り時間3時間って事?)」

【(変態死体になる前に、MAKIちゃんに探させないと)。】

 - Scene 1 - 完

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