実録探偵物語実際に経験した調査を物語風に書いている探偵日記

見えない敵1

Title : 見えない敵1

キャスト

 主演 :ZIN
 出演 :MAKI
     依頼者(ヨーコさん)
     依頼者の旦那さん
     依頼者の友達(保坂マユミさん)
     旦那さんの元浮気相手(恭子さん)

注:記事の掲載にあたって、プライバシー保護の為に「氏名」・「地名」などの名称を変更や架空のものにしています。

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- Scene 1 -

「ZINさん・・・」

『MAKIさん・・・』

「愛してるわ・・・」

『僕もだよ、愛してる・・・』

「ちょっとぉ〜、その気になって手を握らないでよ!」

『お前から振ってきたんだろっ、この小芝居。』

「だって、あの二人が・・・」

『確かに見てられないな、あの二人・・・』

「ロマンチックね、ドラマみたい! 浮気じゃなければ応援したいわ」

『馬鹿にしてる様にしか聞こえないんだけど・・・』

「でも、あんな真面目そうな旦那さんが浮気をしてるとは・・・」

『見た目じゃ何にもわからないよ、人間は! その人の気持ちはその人にしかわからない。』

「人間は”嘘の塊”って事?」

『嘘じゃなくて秘密が多いって事!』

「そうね・・・ 男なんて信じられない!」

『プライベートを仕事に持ち込んでる?』

「そんな事してないわよ。 それよりホラッ! 動いたわよ!!」

   ・
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   ・

『これが今回の調査報告書です。』

【見てもいいですか?】

『どうぞ。』

【この女っ!】

『お知り合いですか、浮気相手を!』

【私の友達・・・、幼稚園からの親友です。】

『えっ?』

【いつからこの2人は付き合っているんですか?】

『それを聞かれてもわかりませんけど。 でも、調査中この2人を見てい・・・』

【もういいです。それ以上何も聞きたくありません。】

『(えぇ〜、まだ何も言ってないのに・・・)』

【この2人を別れさせるには、どうすればいいですか?】

『まずはご夫婦で話し合ってください。 お友達・・・女同士で話し合ってもこじれるだけですから』

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   ・
   ・

『どう? 思い出した?』

「あ〜、あの調査ね、覚えてる。 調査の後、手紙が着たよね!
 旦那さんが浮気相手と別れてくれる事になったって!」

『やっと思い出したか・・・』

「ちょっと、ド忘れしただけでしょ。 ・・・で、その依頼者さんがどうしたの?」

『あの浮気調査から3ヶ月経った今、
 無言電話とか嫌がらせメールとかが来るんだって!』

「それでその犯人を調べて欲しいって依頼がきた訳ね!」

『そう』

「浮気もだけど、”探偵を使う”って選択肢が出来たみたいね。
 探偵を使って”証拠を手に入れる”っていうのがわかったみたい。」

『証拠があるから問い詰められる!
 言い逃れ出来ない証拠・・・
 早速依頼者さんのトコ行って、話を聞いて来るかっ!』

   ・
   ・
   ・

   ”あなたの生活、すべて監視している   Xより”
   ”もうすぐあなたに不幸が訪れる      Xより”

【これが私の携帯に送られてくるメールです。】

「気味の悪いメールがこんなに沢山・・・
 しかも”X(エックス)より”なんて、わざわざ書かなくても・・・
 この人は奥さんに何を求めているんですか?」

【以前のメールでは、”旦那と別れろ”って言うのもありました。】

『ん〜。
 日本語しゃべれないのに書けるのか・・・。 漢字もよく知ってるなぁ・・・』

「しゃべれないって?」

『電話じゃ何も話さないんだろっ!』

「私が思っている事たぶん当たってるから、早めに言っておくけど・・・」

『そっか! 携帯は変換すれば簡単に漢字になるし・・・』

「あのね、ZINくん! Xさんは、外人じゃないわよ!」

『なにぃーーーーーーーー!』

「”なにぃー”じゃないわよ。バカじゃないの!」

『じゃあ帰化したんだ! ラモスみたいに!』

「アレックスじゃなくて、ラモス?
 例え古くない!? そんな事より帰化したわけじゃなくて・・・」

『じゃあ、Xさんは”ナニ人”なんだよ?』

「日本人! だと思うけど・・・」

『ほらっ、お前だって誰だかわからないじゃねーか!』

「誰だかわからないから、調査するんでしょ!」

【あの・・・ 今またメールが届いたんですけど・・・】

   ”また探偵か? 邪魔するな!   Xより”

『ん!? どこだ?
 んん!? 誰なんだ?
 出て来い、ミスターX! そこに居るのはわかってるんだ!』

【わかってるんですか?】

『いや・・・ 適当に言ってみただけです・・・』

「ミスかも・・・」

『おい、MAKI! お前は何もわかってない。
 昔から”X”と言ったら”ミスター”なの! ”ミスターX”!』

「私が言ったミスは、女という意味じゃなくて失敗のミス。
 Xさんがミスをしたって意味!」

『ミス?』

「メールに”また探偵か!”って書いてあったでしょ。
 Xさんは、探偵に邪魔されたのは今回が初めてじゃない。」

【と、言う事は?】

「旦那さんの元浮気相手。 ではないかと思うんです。」

『なかなかやりますなぁ〜、名探偵MAKIさん。
 私から言わせてもらうと、やっと気付いたか!って、感じだけどな!』

「まだ何も証拠がないので確かではありませんが
 犯人候補としてリストに入れておきましょう!」

『よし、MAKI!
 その元浮気相手とやらを最重要参考人として、任意で署に引っ張ってこい!』

【あの〜、MAKIさん。 
 さっきからZINさんが何か言っていますけど・・・】

「なんかいろいろ憑依してるみたいなんで、塩でも投げつけてあげてください。
 すぐ大人しくなりますから・・・」

 - Scene 1 - 完

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